見た目のインパクトがすごいビア缶チキンのご紹介です。手順さえ覚えてしまえば温度管理などそれほど気にしなくても構わないという、簡単な料理なので是非チャレンジしましょう。

まず準備するものです。

材料:
・丸鶏(中抜き)
・ビール(他のアルコール可)
・塩
・お好みのハーブや調味料

道具:
・チャコールグリル
・ビア缶ホルダーもしくは専用器具
・チャーバスケット
・炭など

材料みても超適当ですね。でもこれだけで美味しい鶏肉が食べられちゃいます!

手順としては、
①鶏肉に塩をふる
②炭をおこす
③ハーブ類を塗り込む
④ビア缶ホルダー等にセット
⑤180度で1時間半~2時間焼く
⑥解体して召し上がれ

こんな感じでしょうか。では詳しく解説していきます。

まずは丸鶏の用意からです。

通常、丸鶏はお店には並んでいません。お肉屋さんだと、3日ほど前に注文すれば用意してくれます。注文できるようなお店がない場合、ネットでも注文可能です。
ネットでの注文は安いので、私も利用したことがあります。
ネットでお肉を買うなんて…と抵抗のある方もいらっしゃるようですが、口コミのいい店だと良いお肉が届きますので大丈夫です。

さて、この日はちょうどクリスマス。スーパーに行くと丸鶏が何個(何羽?)か並んでいました。
(実は毎年クリスマスの丸鶏を狙っているのです)
1.6キロ~2.2キロの丸鶏がどれでも1280円!オーブンなどに合わせて大きさを調節するのでしょうが、57cmケトルなら一番大きな物を選んで問題ないです(^^)
昨年は24日夜の時点で半額になっていたのですが…まぁ今年は定価で買っておきましょう。

①鶏肉に塩をふる

買ってきた丸鶏をさっと水洗いし、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。内臓が抜かれていると思いますので、中も拭いておきましょう。
このとき、意外と抜けきっていない羽が残っていたりしますので、キッチンペーパーでつまみながら抜いておきましょう。羽の先端だけ皮に残ったまま、なんてこともあります。

もう好きにして…状態の丸鶏

水分を切ったらラップなどの上に鶏肉を置きます。

こうやって見るとニワトリってマッチョですな…

販売の状態によっては首(せせり)がついていることもあります。今回はついていませんでした。せせりがある場合は切り取ってもつけたまま調理でも構いませんが、のけたほうが見た目的によろしいです。
これに塩をふります。

全体的に塩をふりかけていきます。
上からパラパラっとだけでなく、羽(手羽)のしたや足の隙間、内部など、まんべんなく塩をふりかけ、ペタペタと塗り込みます。余分な水分を出すことと下味をつけるのが目的です。

この状態で約1時間放置します。冬なら暖房のない部屋に放置で充分、夏は冷蔵庫に入れたほうが無難です。
※水分が出てきますので、周囲が汚れないよう注意しましょう。

②炭をおこす

鶏肉に塩をふったら、待つ間にグリルと火をおこす準備をしましょう。

まずは前回使用した炭(消し炭)を一番下に入れます。消し炭は着火しやすいという特徴があります。

続いて新しい炭を乗せます。
写真ではオガ炭が乗ってますね。この下にオガ炭より着火しやすいWeberブリケットが入っています。(オガ炭はブリケット売り切れ時にしゃーなしで買ったので使ってます)
普通の木炭ではなく、長時間同じ温度を保てる炭を使いましょう。(詳しくは炭の説明のページで

着火剤に火をつけ、火が安定するまでしばらく待ちましょう。

③ハーブ類を塗り込む

グリルや炭の準備をしている間に1時間ほど経過しましたかね?約1時間と書きましたが、30分も経過していれば問題無いですよ。

鶏肉をさっと洗い、表面の塩を洗い流します。その後、キッチンペーパーで水分をきれいに拭き取ります(内部も忘れずに)。

ハーブ類を塗り込む前にオリーブオイルを全体的に薄く塗ります。こうすることで表面の乾燥を防ぎ、ハーブ類の乗りをよくします。また、焼色もきれいに付きます。

今回はよく使うローズマリーチキンのハーブソルトと、さらにその上にカレーパウダーをふりかけてみました!
ハーブ類も表面だけでなく、羽の下も内部もまんべんなく塗り込みます。

こんな感じで全体的にぬりぬりします。ちょっと多いかな?くらいで問題ないです。
今回使ったバーモントのカレーパウダーはややパンチがなかったです。。。子供がいるからと甘口にしたのですが、風味づけ程度でした。

④ビア缶ホルダー等にセット

ハーブが塗り込めたらビア缶ホルダー等に鶏肉をセットします。

ところでビア缶ホルダーというものがどういったものか分かりますか?
この料理が鶏肉のお腹にビールの入った缶を突っ込んで焼く、という料理なのですが、缶だけだと鶏肉が自立せず焼きにくいのです。
そこでビールの缶(と鶏肉)を支えるためのホルダーというものが販売されています。

私も最初それを考えましたが、どうも加熱すると缶(正確には缶の印刷部分)から良くない成分が出るらしいのです。

そこで上の写真のようなステンレス製の専用器具を購入しました。(コショウを入れるような容器とダッチオーブンの中のフレームが器具です。)
専用器具は焼く際に出る脂や肉汁を受け止められるトレーも付いています。
※鶏肉が大きく肉汁が溢れるため、写真はダッチオーブンの中にスタンドを入れています。

今回は缶の中をビールにしました。缶の中は日本酒でもワインでもオレンジジュースなんかでも構いません。液体と一緒にローレルやローズマリーなどのハーブを入れても風味がつきますよ。

冷蔵庫にあったコロナビールを投入
鶏肉をセットしたところ。手羽の下も焼けるよう手羽は折りたたんで写真のように脇をあけておきましょう。

缶を突っ込んでスタンドにセットしたところです。立てるとさらに強そう…

鶏肉の下に玉ねぎを置いています。溢れ出た脂と肉汁で勝手にトロトロに調理されます。

野菜を置く際は必ずオリーブオイルを塗りましょう。長時間の調理のため乾燥してしまいます(今回は忘れたので後ほど乾燥玉ねぎの写真が出てきます)。

⑤180度で1時間半~2時間焼く

鶏肉がセットできたら焼きましょう。

炭はいい感じになっていることと思います。これをチャーバスケットに移します。

バスケットに移した時点で「む、炭が少ない…」と気づきました。最初に入れた消し炭が多かったようです。
鶏肉を焼く場合、180度は欲しいのでバスケット上に点火していない炭をパラパラと置きます。これくらいの量で目測ですが180度といったところです。
追加の炭に火がつくのを少し待ちます。
炭に火がつく際、煙が出ます。その煙は食材に良い匂いを与えませんので、必ず表面全体が燃えて少し白くなる程度待ちましょう

今回は鶏肉が大きいのでダッチオーブンの下にダッチスタンドをセットし、可能な限り高さを低くしています。(全高が高いと蓋が閉まりません)

バスケットに乗せる場合の写真

蓋が閉まりそうな大きさの鶏肉の場合、上の写真のようにバスケットをスタンドとしても大丈夫です。
高さが足りないから、といって炭を置く網に直置きはやめましょう。多分下のほう(モモのあたり)が上手に焼けません。

炭の配置も鶏肉からみて左右ではなく、前後のほうが良いでしょう。胸肉は予想以上に分厚いです。
バスケットを使用しない場合は鶏肉の周りに丸く並べます。

では蓋を締めてしばらく待ちます。
(スモークをかける場合、水に浸したウッドチップ等を入れます。今回はなし。)

ベント(空気孔)ですが、下は全開、フタ側はちょい開けです。
フタ側のベントの位置は炭の直上ではなく、炭と炭の間に来るようにします。

蓋を閉めて5分程度待ったところ。
温度はジャスト180度です。いい感じ。
このまま1時間半~2時間放置となります。
スモークする場合は途中でウッドチップを追加してください。

グリルの温度は180度~200度で調節してください。150度を切るようなら中心温度がなかなか上がらず、焼き上がりにとても時間がかかってしまいます。

蓋を閉めて放置しますが、たまーに温度の確認をお願いします。ブリケットやオガ炭ならほぼ変化はありませんが念の為に、ということで。

1時間40分経過したところで肉の中心温度を計ってみました。
温度を計るのは胸肉ともも肉の付け根の2箇所で良いかと思います。もも肉が意外と焼けにくかったりします。
温度計をさして抜くと肉汁が噴き出します (やけどにはご注意ください) 。いかにジューシーに調理できているかがわかると思います。
※中心温度なので肉の分厚いところの中心に温度計の先端が来るようにしましょう。

さて温度ですが今回は80.6度となっています。
鶏肉はローストビーフのように温度に敏感にならなくていいのが楽なところ。
75度で焼き上がりですが、80度でも全く問題ないです。
敏感でなくていいといっても、低い温度はカンピロバクターなどの細菌が怖いので必ず75度以上にしましょう

再度書きますが、グリルの温度が180度ないと中心温度が予想以上に上がりません。グリルの温度には注意しましょう。

さて焼き上がりです。
オリーブオイルを塗るのを忘れたおかげで玉ねぎがカサカサになっていますが、スプーンで肉汁をかけてしばらく待てば食べられました。トロトロで美味しかったですよ♪

焼いたものの、これどうやって食べるの…と途方に暮れる方もいらっしゃるかもしれませんが、鶏肉は思うより簡単にさばけます。

さばく前に、グリルに残った炭を火消しつぼに入れましょう。鶏肉もアッツアツの状態でさばくと、肉汁ドバーの流出でパサついてしまいます。まぁ熱くてさばく気にもなりませんし。30分程度休ませましょう。

時間をあけるときはローストビーフのようにアルミホイルをかける必要はありません(やっちゃうと皮がフニャフニャになります)。そのまま放置で構いません。

炭を火消しつぼに入れてその他の余分なものも片付けします。
外に出ているのは熱い炭の入った火消しつぼとまだ熱いグリルのみです。
グリルも上下のベント(空気孔)を閉めて、グリル内に僅かに残った炭を消火します。
Weber使いとして安全に、手際よくいきましょう。

鶏肉のさばき方です。雑ですが下のようになります。青い線が切るところです。

もも肉と手羽は広げながら付け根に包丁を入れます。薄い皮を切るだけでスルスルっと身が剥がれると思います。
最後がくっついていますので、骨と骨の間、関節の部分を切り落とします。骨を切ろうと思っても切れません。関節に包丁を入れ、軟骨をサクッと切れば上手に外せます。

ももと手羽が外せたら、今度は胸肉です。
胸肉のちょうど真ん中には板状の骨が出っ張っていますので、その左右で切り分けます。
包丁を入れていくと、肋骨に当たりますのでそのまま黄色の矢印の方向に包丁を向かわせます。肋骨沿いに肉を落としていくイメージです。
大きな胸肉が取れたでしょうか?

ほぼ鶏ガラ状態になったと思いますが、まだまだ細かいお肉がたくさん付いています。スプーンや指できれいに外しましょう。

もも肉は左右1本ずつありますが、そのまま豪快にかぶりついてもかまいませんし、これまた途中の関節に包丁を入れるとサクッと切り分けられますので、4名は骨付きのもも肉にありつけます。

さばいたお肉には焼いたときに出た肉汁をかけておきましょう。つけながら食べると、更に美味しくいただけます。

で、食べるとお分かりかと思いますが胸肉がジューシー過ぎて、個人的にはもも肉より美味しいと感じます。なかなかこれだけ上手に美味しく胸肉を調理するのは難しいかも?

焼くときの温度(180度)さえクリアできれば割と適当に調理できますので、是非チャレンジしてくださいね。

「ビア缶チキン(丸鶏調理)」に2件のフィードバックがあります

  1. ローストビーフに続き、こちらの手順の完コピ目指して取り組みました!
    結果はまあまあできたかなぁ、という感じでした。
    チキンのセッティングまでの準備段階は良かったのですが、炭起こしがイマイチでした。
    というのも、この日に備えて今までの切炭からブリケットを使ったのですが、火付きの悪さに慣れていなかったので、なかなかグリル内の温度を上げられず焦りました。
    ブリケットと切炭を追加投入してことなきを得ましたが、かなり時間をとってしまいチキンの皮がちょっと硬くなってしまった感じです。

    次はスペアリブで頑張ります!

    1. 順調に経験を積んでいっていますね。素晴らしいです(^^)
      炭に火がつかないと焦りますよねw私も最初の頃よくやりました…
      ビア缶チキンは火さえ付いてしまえば割と適当にできますので、よければまたチャレンジしてみてください。
      スペアリブ、いいですね!焼くだけだと少し硬いかもしれませんが、かじりついて「肉」を感じてください(*´ڡ`●)
      私も何か焼きたくなってきましたので、近々やってレシピもアップしようと思います。

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