一般的なバーベキューでは炭を使用します。炭も実は色々な種類があり結構奥が深いのです。そんな炭の紹介をしていきます。

まずはホームセンターでよく売っている安い木炭から。

なんと言っても安さが魅力の木炭。木炭と言ってもほとんどがマングローブが材料です。中身をご覧いただくと分かりますが、大きさはバラバラ。大きすぎるものは使いにくいので割る必要があります。
使用する上で必要な項目をまとめますと、
①着火…○ 着火しやすいです。
②着火時煙…× 着火時に結構な煙が出ます。
③におい…× 焼いている食材に炭のにおいが付きます。
④火力安定性…× 高温になったかと思うとすぐに温度が下がったり忙しいです。
⑤火力持続性…× 火持ちは悪いです。炭を足さないと長時間の調理はできません。
⑥価格…○ 安いです。
まとめ…安くて着火しやすいですが、その際にパチンパチンとよく爆(は)ぜます。火がついてない炭が飛んでくるとまだいいのですが、燃えている炭が飛ぶと危険です。煙も出て食材に匂いがついて火の持続も悪いと、価格以外にあまり良い点がありません。とりあえず焼ければいいという方向け。

 
次に木炭は木炭でも国産の炭を紹介します。

私がバーベキューを始めた頃に使っていた炭です。ナラという木が材料です。太さはバラバラですが、均一な長さに切られています。
①着火…○ 着火しやすいです。
②着火時煙…○ 着火時の煙はあまり出ません。
③におい…○ 変なにおいはありません。
④火力安定性…× 火力は安定していませんので温度を決めて調理する場合は苦労します。
⑤火力持続性…× 上記の木炭ほどではありませんが、やはり炭を足さないと長時間の調理はできません。
⑥価格…△ 使用量を考えるとそれほど安くはありません。
まとめ…よく探せばホームセンターに売っていることもあります。煙があまり出ず、燃えた後の灰も少ないので良い炭だと思いますが、安定性と持続性がないのが難点です。1時間をこす調理だと火力の調整で大変な目に会います。焼肉スタイルのバーベキューではオススメです。着火時に少し爆ぜます。長時間、同じ温度を必要とせず少しバーベキューにこだわりたい方向け。

 
次は形成木炭という人工的な炭です。

オガ炭(たん)と言う種類の炭です(メーカーによってはオガ備長炭ともいう)。色々なメーカーから出ており、性能のばらつきがあります。材料は木を切ったときに出るオガクズです。そのオガクズを加圧し形成して炭にしています。
おおよその性能は下記の通りです。
①着火…× とにかく着火しません。
②着火時煙…○ 着火時の煙はあまり出ません。質の悪い(混ぜ物の多い)炭だと変な色の煙が出ます。
③におい…○ 変なにおいはありません。が、これも質の悪い炭や着火剤入りの炭だとにおいが出ます。
④火力安定性…○ 火力は安定しています。
⑤火力持続性…○ 持続性もあり、長時間の調理にもむいています。
⑥価格…△
まとめ…なんといっても着火しにくいのが欠点です。一度着いてしまえば安定していますが、ガスバーナーであぶった程度では燃えてくれません。私もWeberブリケットが売り切れていたときに仕方なく購入し使っていますが、オガ炭を着火するために火おこし器に他の炭を入れ、オガ炭を乗せてさらに他の炭でサンドしないと着火しません。
何も知らない人がいい炭買ってきた!とバーベキューに持っていくと着火せずバーベキューが始まらないという事態になります。使用する際は必ず火おこし器を使いましょう。火おこし器でしっかり着火できる中級者以上向け。

長さが不揃いだけど安いオガ炭はこちら

きれいにカットされているオガ炭はこちら

 

 
ブリケットのご紹介。

Weber社のブリケット

四角く形成された炭です。写真はWeberの物ですが、キングスフォードというメーカーからも同じような炭が出ています。キングスのほうが安いです。Weberブリケットの原料はヤシガラ。全て同じ大きさですので火の管理が簡単です。
①着火…△ 以前と比べて着火に時間がかかります。オガ炭よりは着火しやすいです。
②着火時煙…✕ 以前より煙が出るようになってしまいました。
③におい…△ 着火時ににおいがあります。火がついてしまえばにおいはありません。
④火力安定性…○ 火力は安定しています。
⑤火力持続性…○ 持続性もあり、長時間の調理にもむいています。
⑥価格…△
まとめ…バーベキュー用だけあって使いやすい仕様です。着火時の煙とにおいが問題でしょうか。火力が弱ってきたからと言って着火していないブリケットをそのままグリルに入れると食材ににおいがついてしまいます。火がついてしまえば問題ありません。燃えたあとの灰が木炭よりも多いので人によって処理が少し面倒かも。
長時間一定の温度で調理をする方といった方向け。炭の形状変更により火おこし器は必須アイテムかな。

追記(2019.5.28)
新しい袋を開けたところ、明らかにブリケットの形状が変わってました。
何というか一回り薄く小さくなった感じ。着火時の煙の量も増えています。ただ炭自体が硬くなっており、燃焼持続時間等には変化がありませんでした。これがロットによるものなのかどうかは不明なのですが…次も購入しますので、今回と同じものが届いたら報告します。
追記の追記(2019.7.18)
6月18日注文分を開封しましたが、前回届いた小さめで硬いブリケットと同じものが届きました。前回も少し感じていましたが硬くなったぶん、以前より着火しにくくなったかな、と思います。オガ炭ほどでなないものの、火おこし器の使用が前提でしょうかね。
燃焼時間は以前の大きめのものより伸びているようです。火力に変化はありません。
手羽元のローストで使用したボルテックスと併用すると素晴らしい火力と火持ちを実現してくれます。これで着火時の煙が減ってくれれば完璧な炭と言えるのではないでしょうか。
変化があるようならまた追記します。

なお、Weberでは新しいチャコールブリケットの開発が進んでいるようで、ホームページに詳細がすでに載っていますが、まだ販売はされていないようです。うーん、楽しみ。

ということでついに新しいチャコールブリケットが発売されました!(自分で気づかなかったけど…教えてくださってありがとうございます)

新しく発売されたのは4kg入りと8kg入りです。(今までのものは5kg)
せっかくなので今までのチャコールブリケットと比較しながら見ていきましょう。

手前が新しいので奥が今までのものです

まずはパッケージ比較です。奥に写っているのは旧パッケージのもので、取っ手がついています。(最近のものは取っ手がついていませんので、袋を使いまわしています)

手前のは新しく出た8kgタイプ。今までのように外袋と内袋、ではなく分厚いビニールの袋に直接入っています。袋上部には持ち運べるよう取っ手となる穴が空いています。

袋はジップが付いており、保存がしやすくなっています。さらに開封も簡単。道具を使わなくても手で開けられます(前のものはハサミやカッターが必須)。
買ってそのまま持っていっても困ることはありません。今までのは事前に開けておかないと袋が開かないという大変な目に会います。

ジップ部分は閉めるのにコツがいるというか、袋が大きいので少し大変。4kgだと少し楽なのかな?

炭の大きさの比較です。左が今までのもの(旧)、右が新しいの(新)です。
旧は火力2時間持続でしたが、新は3時間持続となっていましたが、物理的に大きくなっているようです。

コンクリートに軽く落としてみましたが、音はほぼ同じ。硬さが同じということですね。

その他、新は表面にスリットが入っています。どうやらこのスリットが着火や温度の上昇に役立つようですが…とりあえず燃やしてみましょう。

大きさが違うので同じ量を入れると個数も違ってきます。左が旧で25個入っていますが、右の新は16個でした。
同じタイミングで着火剤に火をつけます。

実は着火時の煙の量が減ってれば良いなぁと思っていたのですが…なんてこったい\(^o^)/

着火2分後には煙モクモクですやん!

いや、実はこれには深い事情が…。

旧タイプは着火約4分後~20分間、細い煙がずーっと出ていましたが、新は着火約2分後~10分間、濃い煙がモクモクと出て、その後は煙がなくなります。

つまり煙の出る時間が短くなった分、煙の量が増えた感じです。この辺はどっちがよいか、使用環境によりますかね。

着火15分後の写真です。
そう、煙が早く出なくなるとうことは炭が燃えるのも早いのです。
旧はまだまだ着火しておらず煙も出ていますが、新は多くが着火しています。
スリットのおかげもありますし、炭自体が大きくなったので隙間も増え空気(上昇気流)の通りも良くなったのでしょう。
早くバーベキューが開始できるというのは大きいと思います。更に待って着火から30分程度経過したところでバスケットに移しました。(新だけなら着火後20分でバスケットに移せます)

何が違うって、一目瞭然。全体が燃えると色が全く違います。
左が新で右が旧。新のほうがより自然な燃えた炭の色といった感じで白いです。

小さめの肉でローストビーフを作って約1時間20分経過したところです。
む、旧のほうが大きく残っている…だと!?

いえいえ、そんなことないです。バスケットをトントンと揺らし、表面の灰を落としてやります。

表面の灰が落ちるとやはり旧のほうが小さいですね。まぁもとの大きさが違うので、当たり前っちゃー当たり前なんですが。
新のこの様子だと3時間きっかり持ちそうです。(3時間以上の加熱は追加が必要)

ちなみに肉には変な匂いは付きませんでした。この辺は完璧ですね。
でた灰の量もほぼ同じ。あ、そういや灰自体に触ってないわ。今度確かめとこ…

ということで新旧比較をまとめますと、
・袋が開けやすく、保存しやすい(道具不要で開けられる)。
・着火時の煙の量は増加(ただし煙の出る時間は短くなっている)。
・着火が早く、早くバーベキューを始められる。
・火力は相変わらず安定。3時間持ちます。

こんなところでしょうか。
周りを気にせず着火できる環境であれば、一度にたくさんの炭に火をつけ、着火後すぐ火消しつぼに入れた消し炭を作っておいても良いと思います。そうすれば次回は煙なしに着火できますし(私はそうするつもりです)。

着火時の煙の問題があるとはいえ、バーベキュー向きの扱いやすい炭ですのでオススメします。

新しいタイプは4kgと8kgなのでお間違えのないようにご注意下さい。

キングスフォード社のブリケット。Weberより安いものの少し匂いがあるとの書き込みが多いですかね。

 

似たような炭で豆炭がありますが、あれは形こそ似ていますが別物ですので買ってはいけません。練炭と言うとわかりやすいでしょうか。石炭が使われており、バーベキューに使用できるものではありません。

間違えて買っちゃダメです

上記の他に有名な備長炭もありますが、オガ炭同様なかなか着火しません。煙も少なく火力も持続しますが温度の管理は難しいです。また、ちゃんとした国産の備長炭ともなると価格も遥かに高価ですのでバーベキューには向いていないと思います。(その分良い肉買ったほうが…ね)

自分にあった炭を使うのが一番ですが、バーベキューでは初心者でも取り扱いが簡単なWeberブリケットが向いているかと思います。

「炭の種類」に4件のフィードバックがあります

  1. 最近、アマゾンで8キロ2790円のブリケットを売ってますね。上で言及されている新しいweberのブリケットと思われます(3時間持つ、と袋に書いてあるので)。
    前のが残っているうえに、新商品はコスパが若干落ちるので試すことができてません。
    着火の時の黒煙量が少なければ是非買いたいと思ってはいるのですが…

    1. 情報ありがとうございます!
      3日ほど前に検索したんですが、前のブリケットが出て来て見逃してました。違うバージョンとして買えるのですね。分かりにくい!

      と言うことで早速買っちゃいました( •̀∀•́ )
      またどんな感じかここでお知らせしますね。ありがとうございました(^^)

    2. 遅くなりましたが、新しい炭のレビューを載せています。
      残念ながら煙の量は減りませんでした…

      1. 新ブリケットのご報告、早速ありがとうございました!
        非常に詳細で、もう完璧です 感涙
        着火が木炭風でいいですね。ちょい、お高いですが、小生も使ってみたいと思います。
        煙が少なければ、マンションのベランダで使うことを考えてましたが、ご提案の通り、他で消炭状態のものを作って、ベランダに持ち込めばなんとかなりそうな気がしてきました!

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